2010/01/19

セキモトさんち


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ベッシー 「それで、バスターったら出て行け!って怒鳴っちゃって。」
ユミ 「あらまあ。」
ベッシー 「ザンダーはザンダーで、結婚する気もないのに出て行かないって言うから、こじれちゃってねぇ。」

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ユミ 「嫁さん貰わないと男の子は駄目だね。一人前の男が持つ責任感というもんを実感できないんじゃないかねぇ。」
ベッシー 「そうよねえ。私たちだっていつまでも生きやしないんだから、ザンダーには早くお嫁さんもらって一人前になってもらいたいんだけど。」
ユミ 「うちのもさ、せっかくあたしが家事全般引き受けてるんだから、デートの一つもしてくりゃーいーのに。」
ベッシー 「あら、レイトンさんはもてそうなのに。」

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ユミ 「それが女の子から電話の一本もかかってこないんだわ。休みの日は一日中サムと過ごしてるしねぇ。」
ベッシー 「家族志向なのはいいことよ。」
ユミ 「だけどねぇ、ちょっとくらいデートしたって、レイトンが思うほどサムは寂しがりっこないよ。おばあちゃんと一緒なんだし。」
ベッシー 「ふふふ。寂しいのはレイトンさんのほうなんでしょ。」

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レイトン 「クラベルさん、こんにちは。母さん、新聞読み終わったかい? クーポン切りたいんだけど。」
ユミ 「ああいいよ。好きなだけ切っておくれ。そんなことよりレイトン、ちょいとお待ち。」
レイトン 「…なんだい? 向こうでサムが待ってるんだけど。」
ユミ 「あんたどんな女の子が好みなんだい?」

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レイトン 「ええ? 好みって…べつにないけど。」
ユミ 「ないことないだろう? 派手で色気たっぷりなのがいいとか、生真面目で知的なのがいいとか、子供っぽくてかわいらしいのがいいとか、ほらいろいろあるでしょーが。」
レイトン 「だから、別にないって。今は仕事とサムのことで忙しくって女性のことなんて考えてる余裕はないよ。」
ユミ 「あんたねぇ、その気さえありゃ、どんなに忙しくったってデートの時間は作れるもんだよ、あんたの父さんの若い時分は…」
レイトン 「分かった、分かった。また考えとくよ。じゃあクラベルさん、ごゆっくり。」
ユミ 「レイトン!」

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ベッシー 「その気になればすぐお嫁さんが見つかるわよ。レイトンさん、ハンサムだもの。」
ユミ 「顔だけは亡くなった夫に似たんだよ。夫は男気があってねぇ、この人になら一生ついていけるって思えたもんよ。写真見せたげるよ、ほら」

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ベッシー 「あら、いい男じゃない。この頃って、こういう一本芯が通った逞しい男が多かったわよねぇ、うちのバスターだって若い頃は素敵に思えたものよ~。今では頑固に磨きがかかっちゃって扱いにくいったら。」
ユミ 「近頃じゃ頑固は流行らないだろうねぇ。
男でも着飾ってる位が良いらしいし。レイトンも耳のかたっぽにピアスしてるよ。あれがおしゃれなのかねぇ。」
ベッシー 「ピアスねぇ。若い子の感覚にはついていけないわ。
あらもうこんな時間? そろそろおいとまするわね。」

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レイトン 「クラベルさんお帰りですか? 」
ベッシー 「ええ、おじゃましました。お騒がせしてごめんなさいね。」
ユミ 「レイトン、右の耳見せてごらん、ベッシーさん、ほらここに…。」

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レイトン 「ちょ、ちょっと母さん、いきなりなんだよ。」

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サム 「バァ!」
ベッシー 「あらサム、さよならね~。今度は遊ぼうねぇ。」

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レイトン 「すみません、いつも母の話し相手になっていただいて。」
ベッシー 「あらいいのよ、私のほうこそ楽しませてもらってるんだもの。」

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ユミ 「またいつでもいらっしゃいよ!」

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レイトンさんって、右耳にピアスしてるんですねー。意外。ユミの夫は創作です。

Thanks!
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